2012年西成区出来事

1月

9日
9日午前0時30分頃に、同市西成区旭3の木造2階建て住宅から出火、約60平方メートルを全焼した。住人とみられる男性が死亡し、西成署が身元確認を進めている。

12日
12日午後6時50分ごろ、大阪市西成区千本北1の共同住宅の2階の一室で「男性が死んでいた」と大阪府警西成署玉出交番に知人男性が届け出た。男性は部屋の住人とみられ、首に包丁が刺さった状態で死亡していた。西成署は自殺と事件の両面で調べるとともに、身元確認を急いでいる。西成署によると、男性は60代ぐらい。布団の上にあおむけで倒れていた。電気ストーブはついたままで、遺体の腐敗が始まっていた。部屋は施錠されていなかったが、室内を物色したり、争ったりした形跡はなかったという。

13日
来年度の公募区長任命を目指す大阪市の橋下徹市長が13日、記者団の取材に対し、生活保護などさまざまな問題を抱える西成区は自身が区長の役割を兼務して「直轄区」とすることも検討していることを明らかにした。また、全体の応募者が12日夕時点で1295人に達していることを受け、今年4月の任命は事実上不可能との見方を示した。応募は更に増加するとみられ、任命は早くて6月、遅ければ10月にずれ込む見通し。橋下市長は「西成を変えることが大阪を変える第一歩。責任者は僕がやるのが筋かと思う」と言及。西成をどう変えるかについて「お金と人を使って、とことん政治の力を注入しないと街なんて簡単には変わらない」と述べ、重点的に取り組む考えを示した。西成区には日本最大の日雇い労働者の街・あいりん地区がある。生活保護率は23%と24区で突出して高い。

19日
暴力団幹部が経営するヤミ券売り場にコピー機を貸したとして、府警捜査4課は19日、府暴力団排除条例に基づき、府内のレンタル会社社長と指定暴力団山口組直系組織の幹部に府公安委員会が指導書を交付した、と発表した。社長は「暴力団と知っていたが収入になると思った」と話しているという。府警によると、同社は昨年1~6月、大阪市西成区のヤミ券売り場にコピー機1台をレンタル。同社は半年間で約3万円の収入を得ていたという。コピー機は、競艇などのレース予定が掲載されたスポーツ新聞の複写に使用されていた。

2月

1日
組長の車で訪れたホームセンターで万引したとして西成署は1日、窃盗容疑で指定暴力団東組系組員、磯村秀之容疑者(39)=大阪市西成区天下茶屋北=を逮捕したと発表した。同署によると、磯村容疑者は組長の運転手。「商品を外に持ち出しただけで盗んではいない」と供述しているという。同署によると、磯村容疑者はカートのまま商品を持ち出し組長の車に積もうとしたところ、警備員に声をかけられ、商品を置いて車で逃走。車のナンバーや防犯カメラの映像などから磯村容疑者が判明した。

7日
7日午後8時15分ごろ、大阪市西成区長橋のマンション2階の1室で、近所の女性から「けんかのような声がする」と110番通報があった。西成署員が駆けつけると、この部屋に住む30代の男性がマンションそばの建物内で背中から血を流して倒れていた。40代の内縁の妻は「知らない男2人に刺された」と説明。同署は傷害容疑で捜査している。男性は軽傷とみられる。

10日
橋下徹大阪市長が大阪市西成区を活性化する「西成特区構想」の中で、同区の結核罹患(りかん)率の高さに注目が集まる中、予防をテーマにしたシンポジウム「~西成から『STOP結核』の風を~」が10日、同区岸里1丁目の区民センターで開かれた。結核予防会結核研究所の下内昭副所長が、結核予防に向けた早期発見の必要性を訴えた。

12日
12日午後4時40分ごろ、大阪市西成区南津守の市営天津橋住宅7号棟の3階1室から出火、この部屋の和室部分の約17平方メートルを焼いた。女性1人が病院に搬送されたが、心肺停止状態で重体という。大阪府警西成署によると、この部屋に住む女性(79)とみられ、身元の確認を急いでいる。同署によると、住人の女性は自力歩行が困難だったとみられる。息子と二人暮らしで、息子は当時外出していたという。和室の電気ストーブ周辺が激しく燃えていたといい、同署などで出火原因を調べている。

13日
大阪市西成区で17年前に起きた看護師刺傷事件で、公訴時効後に関与を認めて不起訴処分となった男(61)の供述調書が、看護師側が起こした慰謝料請求訴訟でほぼ全面開示された。原則非開示とされてきた「不起訴記録」を検察側が出すのは異例。捜査に満足できず、民事訴訟の場で真相解明を目指す被害者にとって追い風になる動きといえる。調書が開示されたのは、1995年1月25日夕に看護師の林裕子さん(51)が帰宅途中に見知らぬ男から腰を刺され、重傷を負った事件。大阪府警は遺留品の指紋から男を重要参考人として手配したが、2010年1月に殺人未遂罪の時効(当時15年、現在25年)が成立した。同年6月末、別の事件で警視庁に聴取された男が裕子さんを刺したことを認め、府警の捜査員が調書5通を作成した。裕子さんと夫の良平さん(58)は昨年1月、男に約5千万円の慰謝料などを求めて大阪地裁に提訴。男は不起訴後に所在が分からなくなり、法廷で証言を求めるのは困難とみられた。このため、林さん夫婦は地裁を通じて大阪地検に調書の開示を請求。当初は多くが白く消されたものしか開示されなかったが、昨年10月に「真相解明には動機など事件の核心部分が書かれた調書が必要だ」として全面開示を要求すると、地検が応じたという。

3月

17日
  • 大阪市西成区のあいりん地区でごみ収集作業を競争入札で市から請け負った同市東淀川区の清掃業者が、労働者から作業妨害に遭い、市から契約を解除されていたことが17日、分かった。市によると、清掃業者は昨年3月の競争入札で同地区の三角公園など4カ所の公園の一般廃棄物の清掃業務を市から請け負ったが、同4月、労働者ら数十人が清掃業者を公園に入らせないようにするなど作業を妨害。市は労働者らの支援団体の代表に妨害をやめるよう要望し、大阪府警西成署にも相談したが、その後も2回妨害が続いたため、市が直接ごみ収集を行うとともに、8月には清掃業者との契約を打ち切った。妨害の理由について、労働者らは「業者からのあいさつがなかった」などと話しているという。市は、「仕方なく契約を解除したが、業者に補償を求められる可能性はある。当面は直営で収集せざるをえないが、対応策については協議している」としている。

  • 大阪市西成区・あいりん地区のごみ収集作業を受注した東淀川区の清掃会社が、地元業者に委託するよう求める労働者らの妨害で業務ができなくなり、市から一方的に契約を解除されていたことが分かった。大阪市は妨害を放置した末、契約解除後は自分たちでごみを集めているが、契約を切られた清掃会社から補償を求められる可能性もある。橋下徹市長が西成区特区構想などで地域の活性化を目指すなか、弱腰な姿勢が批判を浴びそうだ。市などによると、問題の作業は、通称「三角公園」を含む4公園の事業系一般ごみ収集で、昨年3月に競争入札があった。06~08年度と10年度に受注した地元業者など計16社が参加し、清掃会社が2024万円(処理量88万キロを想定)で落札した。清掃会社は昨年4月4~13日に計3回、三角公園などに設置された計5カ所のごみ置き場で収集しようとしたが、数十人の労働者に囲まれ妨害された。ごみ置き場には以前から、労働者を仕切っている地域住民団体の代表らが産業廃棄物を不法投棄。前年度まで受注していた地元業者の役員が地域のボランティア団体の会長を兼務しており、この団体が労働者に日当を払って一般ごみとの仕分けをさせていた。妨害の背景には、清掃会社がこの仕分け料の支払いを拒否したことがあるとみられる。 清掃会社は警察に相談したが、発注元の大阪市が解決すべきだとの認識だったため、市に対応を要請。しかし、市は清掃会社、労働者との3者協議を開いただけで、積極的な事態の収拾に乗り出さなかった。労働者側は「日当を払わない業者なら作業を妨害する」などと強硬な姿勢を堅持。市は妨害をやめるよう指導したり被害届を出したりすることもないまま、4月14日から自らごみ収集に乗り出し、妨害行為を止められないとの理由で昨年8月、清掃会社との契約を打ち切った。所管する大阪市天王寺動植物公園事務所は「清掃会社から訴訟を起こされる可能性はある」との認識を示し「円滑に収集することを最優先に考えた。市が収集するので契約を解除せざるを得なかった」と釈明。地元業者の社員は毎日新聞の取材に「作業を妨害するよう労働者を扇動した事実はない」と話し、地域住民団体代表の男性は「地域に金を払わない業者は受け入れられない」と強調している。

26日
  • 高級ブランド「グッチ」の偽物の財布を販売目的で所持していたとして、大阪の親子が警視庁に逮捕されました。商標法違反の疑いで逮捕されたのは大阪市西成区のスナック経営・宮崎彩由梨容疑者(65)と息子の大佑容疑者(29)の2人で、3月6日、西成区のレンタル倉庫に高級ブランド「グッチ」の偽物の財布およそ90個を販売目的で所持していた疑いが持たれています。警視庁によりますと、2人は去年の7月からインターネットのオークションで偽物のグッチの財布ばかりを販売しておよそ2500万円の利益を上げていたということで、彩由梨容疑者は「外国の密売人から仕入れていた」と供述しているということです。

  • 26日夜、大阪市西成区でパトカーに追跡された車が歩行者とバイクに次々に衝突し、3人が重軽傷を負いました。車は逃走し、警察が行方を追っています。26日午後10時半ごろ、大阪市西成区岸里の国道26号線でパトロール中の警察官が急に速度を上げて走り出した白っぽい乗用車を発見し、パトカーで追跡しました。車はおよそ500メートル先の交差点で横断歩道を渡っていた、阿倍野区の濱地聡子さん(23)をひき、さらに200メートル先の別の交差点では止まっていたバイクに衝突、そのまま南の方向に逃走しました。この事故で濱地さんが病院に運ばれ、両足の骨を折るなど重傷、バイクに乗っていた20代の男女2人も軽いケガをしました。警察はひき逃げ容疑で車の行方を追っています。

28日
大阪市西成区の女性(当時92)を薬物で殺害するよう信奉者の女に命じたとして、殺人罪などに問われた元民生委員で自称霊能者、寺谷均美(てらたに・ひとみ)被告(55)の裁判員裁判の判決が28日、大阪地裁であった。村田健二裁判長は「信奉者の信仰心を逆手に取った」と述べ、求刑通り有期刑で最も重い懲役30年を言い渡した。判決によると、寺谷被告は信奉者の元介護士(55)=殺人罪などで実刑確定=に「不動明王の言葉」と言い、2007年にヨーグルトや水に混ぜた精神安定剤を女性に与えさせた。肺炎で入院した女性に多量のインスリンを注射させ、殺害した。弁護側は信奉者の単独犯行と訴えたが、「メールなどで指示し、主導的な役割を果たした」と判断した。

29日
  • 無施錠の民家を狙って盗みを繰り返したとして、府警捜査3課などは29日、常習累犯窃盗容疑で大阪市西成区萩之茶屋の無職、小野暢也(のぶや)被告(39)=同罪で起訴=を逮捕、送検し捜査を終結したと発表した。同課は、平成17年11月~昨年8月にかけ、府内や奈良県などで約2300万円の被害を裏付けたという。逮捕容疑は、昨年6月17日午前3時半~4時半ごろ、同市生野区林寺の民家に侵入し、腕時計や指輪など計11点(時価計56万円相当)を盗んだとしている。同課によると、小野容疑者は「生活費に使った」と容疑を認めているという。

  • 国内外で活躍中のギタリスト、大友良英さん(52)による「子どもオーケストラ」のワークショップが29日、大阪市西成区の市立南津守小学校で開かれ、地元の小中高生や福島県から避難中の幼児ら計約40人が参加。楽器を使った即興演奏を発表した。企画したのは、新世界など西成区や浪速区で芸術振興に取り組む「ブレーカープロジェクト実行委員会」(大阪市西成区)。きっかけは昨年夏、大友さんらが福島市で開いた原発事故を問う音楽イベントで、子供ら約260人の即興オーケストラによる演奏を、同委員会関係者が聴いたこと。譜面を使わず、大友さんの簡単な指示で、各自が自由に出す音が、次第に音楽となる楽しさを体験し、大阪の子供にも伝えたいと大友さんに指導を依頼、西成区の児童館「今池こどもの家」と連携し、先月から練習を続けていた。この日の発表では、子供たちは大太鼓やギター、アコーディオン、タンバリンなどを、大友さんの合図で演奏、強弱やリズムが生まれる音楽に子供たちも大喜び。ベースを弾いた少年は「みんなで音楽をすると楽しい」と笑顔で感想を述べた。大友さんは「今後も、コンサートを目標に月1回のワークショップを続けていきたい」と話していた。

4月

3日
高齢者2人から預かった生活保護費を着服したとして、西成署は3日、横領容疑で大阪市西成区萩之茶屋の調理師、中村正治容疑者(57)を逮捕した。中村容疑者は知人の紹介で3年前に2人と知り合い、足がやや不自由な2人に代わって預かったキャッシュカードで生活保護費を引き出し、渡していたという。同署によると、中村容疑者は就労しながら生活保護を受けていたことが発覚し昨年12月に受給を打ち切られ、「生活保護がなくなり遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認めているという。逮捕容疑は、昨年12月22日、同区の高齢男女2人の生活保護費計約24万円を金融機関から引き出し、着服したとしている。

6日
春の全国交通安全運動初日の6日、大阪市西成区の区民センターで交通安全区民大会が開かれ、区内の保育園児ら約140人が交通安全教室などを楽しんだ。全国各地で子供向けの交通安全啓発活動に取り組むJAF「ドレミぐるーぷ」の交通安全教室では、クイズ形式で園児に指導。「信号が青になってもよく見てから渡ってね」と呼びかけていた。また、大会ではあいりん地区の労働者らの作詞で制作された「にしなり人情うた」も初披露された。

9日
大阪市は9日、生活保護適正化連絡会議の第1回会合を開き、区長主導で不正受給の防止に取り組む方針を確認した。会議は平松邦夫前市長時代に発足した「生活保護行政特別調査プロジェクトチーム」を刷新したもので、橋下徹市長の指示で区長により責任・権限を持たせる態勢にした。今月から警察官OBら3人1組の「不正受給調査専任チーム」を全24区に配置したことを確認。また、保護費の半分を占める医療扶助削減に向け、夏以降、西成区で具体的な対策を始める方針も発表された。同区では、医療扶助の受給者が無用に複数の医院に通うことがないよう、かかりつけ医を記した登録証を作る。過去に不正受給があった場合、生活保護医療機関として新規指定しない市独自の基準も設ける。

12日
大阪市西成区の日雇い労働者の街「あいりん地区」で、海賊版DVDや盗品を販売するなど犯罪の温床と指摘されてきた違法営業の露店について、大阪府警が“一掃作戦”を進めている。府警西成署では、粘り強く警告を繰り返すなどしており、同署によると、露店の数は昨年7月の約130軒から10~20軒にまで激減した。橋下徹市長が子育て世代の呼び込みを念頭に西成特区構想を打ち出したこともあり、同署は「違法露店ゼロ」を掲げて、パトロールを一層強化している。3月某日の午前6時半すぎ、あいりん地区の市道にずらりと並んだ違法露店群の一角に、ある男がいるのを西成署員が見つけた。何度も警告を受け、「二度とやりません」という誓約書を計4回も提出させた懲りない61歳の男だった。男の露店は、家電製品を並べたプラスチックケースが市道にはみ出していた。約1時間、監視を続け、客への営業行為も確認。道交法違反(無許可道路使用)容疑で現行犯逮捕した。こうした露店は最も多かった平成22年末の時点で約300軒にも上った。商品には海賊版DVDや盗品のほか、覚醒剤が売られていたケースもあり、以前から「犯罪の温床」と指摘されていた。府警は昨年2月、道路沿いに機動隊員を並べ、物理的に出店を遮る「実力行使」で一旦は違法露店の一掃に成功した。だが、ほとぼりが冷めた昨年3月初旬には、早くも露店が舞い戻り始めた。「思わぬ掘り出し物がある」などの口コミで客が増えるとともに店舗数も増加。同7月中旬には約130軒にまで“復活”した。西成署は「実力行使は対症療法に過ぎない。根本解決には意識改革が必要だ」として、方針を転換。警告を粘り強く出し、複数回、誓約書を提出させても改善しない露店については「違法性を十分に認識している」と判断し、逮捕に踏み切ることにした。昨年7月31日から今年3月までに、道路を無許可で使用した道交法違反容疑で、43~69歳の男計6人を現行犯逮捕。地道な警告活動の効果も徐々に浸透し、店舗数は激減して10~20軒程度に減った。西成区では、橋下市長が子育て世帯の誘致を目指した特区構想を公表。新たな住宅地の整備などの案が浮上し、治安の向上が課題となっている。西成署幹部は「子育て世帯が住みやすいまちづくりのためにも、違法露店の一掃は『待ったなし』だ」としている。

13日
大阪市は13日、西成区出城の市有地(約810平方メートル)で、基準値の8・1倍となる鉛と同6・2倍のヒ素の土壌溶出量を検出したと発表した。周辺地域で地下水の飲用利用はなく、健康被害は報告されていないという。市によると、市有地の売却に向けて土壌を調査した結果、1リットルあたり0・081ミリグラムの鉛と、同0・062ミリグラムのヒ素の土壌溶出量を検出したという。土壌汚染の原因は特定できていない。

19日
枝野幸男経済産業相の事務所に爆発物を送るなどとメールを送ったとして埼玉県警は19日、大阪市西成区山王1、無職、小原誠容疑者(56)を威力業務妨害容疑で逮捕した。県警によると、小原容疑者は容疑を認めたうえで「(枝野経産相の)原発関係の対応に鬱憤がたまった」という趣旨の供述をしているという。逮捕容疑は6日午後11時ごろ、自分の携帯電話を使って、さいたま市大宮区の枝野経産相の事務所のパソコンに「枝野さん。あなたの自宅と事務所に宅急便で爆発物を送る。開封したら爆発する仕組みになっている」などと脅迫メールを送り、事務所の業務を妨害したとしている。

20日
大阪市教委は、日雇い労働者の街・西成区の「あいりん地区」周辺にある市立小3校を統合し、2015年度に小中一貫校を開校する方針を決めた。市内全域から通学可能で、私学の進学校並みの教育内容を実施する「スーパー校」にする計画。子育て世代を呼び込む起爆剤として、橋下徹市長が掲げる「西成特区構想」の目玉事業にしたい考えだ。統合するのは、児童数が減少している萩之茶屋、弘治、今宮の市立小3校。近くの今宮中の敷地約2万平方メートルに約10億円かけて新校舎を建て、小中一貫校として運営する。今年1月から地元住民やPTAと協議し、3月に了解が得られた。小中一貫校では、中学校の英語や体育の教諭が小学生を指導することが可能になり、教諭側は1人の生徒に9年間関わることで、より高度で充実した教育が期待できるメリットがある。橋下市長は「学力向上を目指し、私立と同等かそれ以上の教育を受けられるスーパー校にしたい」としており、7月の本格予算案に関連予算を計上する。市教委はさらに、地元の府立今宮高に進学できる特別枠の設定についても検討を進めており、実現すれば公立では全国初の「小中高12年一貫校」となる。市教委幹部は「保護者の支持も得られるはず。府教委と協議したい」としている。

21日
「春の地域安全運動」が始まった21日、西成署などは、大阪市西成区岸里1のイベント広場で、オリジナルのひったくり防止カバーや子どもの安全対策用ホイッスルなどを配布した。同署員のほか、同区の西嶋善親区長や防犯協会からのボランティアら約60人が参加。Jリーグ・セレッソ大阪や西成区のマスコットキャラクターも登場し、防止カバーをひとつひとつ自転車に取り付けていった。同署の松田芳宏署長は「安全で安心なまち西成区の実現に向けて一丸になりたい」と話した。

23日
23日午前5時45分ごろ、大阪市西成区萩之茶屋3丁目のうどん・そば店「大国屋」で「男性が倒れている」と、店を訪れた出入り業者から110番通報があった。大阪府警によると、男性はカウンター内で血を流して倒れていた。左脇腹に1カ所刺し傷があり、病院に運ばれたが、死亡が確認された。府警は殺人事件とみて捜査を始めた。西成署によると、男性は50歳代くらいで、このうどん店の店長とみられる。凶器は今のところ見つかっていないという。

27日
自宅に拳銃などを隠し持っていたとして、西成署などは27日、銃刀法違反(拳銃加重所持)容疑で、大阪市西成区出城の無職、神戸(かんべ)勝宣容疑者(63)を現行犯逮捕した。「弾とともに100万円で買った」と容疑を認めているという。逮捕容疑は、同日午後0時25分ごろ、マンションの自室内で回転弾倉式拳銃1丁と実弾約20発を所持していたとしている。

5月

1日
刑務所内からサイコロ賭博場の運営に関する指示をしたなどとして、府警捜査4課などは1日、指定暴力団酒梅組系組長、早川公裕容疑者(47)=賭博開帳図利罪などで服役中=ら4人を組織犯罪処罰法違反(賭博開帳図利など)の疑いで逮捕したと発表した。逮捕容疑は、4人は大阪市西成区内でサイコロ賭博場を運営していたとしている。同課は、早川容疑者が、刑務所に接見に来た関係者を通じ、賭博場の運営を指示していたとみている。服役中の人物が同法違反容疑で検挙されるのは極めて異例という。

14日
中国籍の女性を日本で長期滞在できるよう偽装結婚をしたとして、県警は、大阪市西成区のトラック運転手野元隆治容疑者(48)ら5人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕し、14日発表した。いずれも容疑を認めているという。ほかに逮捕されたのは、自動車修理業伊藤弘之(33)=飯塚市目尾=▽会社員伊藤賢児(24)=添田町添田=の両容疑者。また、中国籍で飲食店従業員の陳秋慧(チェン・チユウ・フイ)(23)=東京都品川区=▽無職男性(24)=添田町=の両被告については、すでに同罪で起訴されており、男性は保釈中。発表によると、5人は共謀し、昨年3月2日、陳被告と男性とのうその婚姻届を添田町役場に出した疑いがある。陳被告は2008年4月に就学ビザで入国していたが、飲食店で働きたいと思い、ブローカー役とされる野元容疑者に報酬100万円で日本人男性の紹介を依頼。野元容疑者から指示を受けた伊藤弘之容疑者が、知り合いの伊藤賢児容疑者を通じて男性を探し出した。野元容疑者は「09年ごろから、十数人の中国人女性の偽装結婚をあっせんした」と話しているという。

18日
競輪でノミ行為を行ったとして西成署などは18日、自転車競技法違反容疑で、指定暴力団山口組系組幹部、武島一幸容疑者(38)=住居不定=を逮捕した。容疑を認めているという。逮捕容疑は7日午後1時15分ごろ、大阪市西成区萩之茶屋のヤミ券売り場「もも」で客に競輪の結果を予想させ、金を賭けさせていたとしている。

31日
  • 31日午後0時10分ごろ、大阪市西成区玉出中の南海岸里玉出駅で、同区の無職女性(52)がホームから転落し、停止直前の難波発和歌山市行き普通電車にはねられた。女性は「ふらついて転落した」と話しており、病院に搬送されたが命に別条はないという。南海電鉄によると、上下計24本が運休、計69本が最大1時間5分遅れ、約3万9千人に影響した。

  • 大阪市は31日、結核の罹患(りかん)率が高い西成区で、生活保護の新規申請者と65歳以上の受給者を対象に、結核検診を無料実施する方針を決めた。2012年度本格予算案の編成に向けた、橋下市長と担当部局との折衝で、部局側が約1億780万円で無料検診などを進める計画を提示。橋下市長は「西成のイメージアップにつながる」と、方向性を認めた。日雇い労働者が集まる「あいりん地区」を抱える同区では、人口10万人あたりの結核発症者数が238・5人と全国平均の約13倍。市は今年10月から結核検診を呼び掛け、全体で年間5万6000人の受診者数を目指す。また、市政改革プラン素案で25%削減方針が示された大阪フィルハーモニー協会への補助金について、担当部局が、今年度は10%削減し、その後さらに減らして15年度以降撤廃する案を提示。橋下市長は「3年かかるのは疑問だ」と自立化までの期間短縮を求めた。一方、橋下市長は、中学生以下の子どもが無料の市立天王寺動物園(天王寺区)について、市外の小中学生から料金を取る方針を示した。担当部局は「市外の小中学生は全入場者の8分の1に過ぎない」と難色を示したが、橋下市長は「行政だから無料という時代ではない」と有料化を指示した。

6月

1日
大阪市は6月、西成区で医療や雇用、高齢化などの抜本対策を進める「特区構想」の実現に向け、労働者の街・あいりん地区に詳しい学識者やホームレスらの支援活動に携わるメンバーを集めた専門チームを立ち上げる。今秋までに構想原案をまとめ、橋下徹市長に提案する。座長に就く予定の鈴木亘学習院大教授(社会保障論)は、大学院生の時から西成でホームレスの健康問題などを研究し、橋下氏の要請で市特別顧問に就任。すでに関係団体との調整や情報収集を進めている。メンバーはほかに、水内俊雄大阪市立大教授(都市社会地理学)や松村嘉久阪南大教授(観光地理学)ら観光政策やあいりん地区に詳しい研究者のほか、地元住民らと街づくりを進める「萩之茶屋まちづくり拡大会議」事務局長の寺川政司近畿大准教授や、「釜ケ崎のまち再生フォーラム」事務局長のありむら潜氏も参加。

6日
橋下大阪市長は6日、市内で高齢化率などが突出して高い西成区の活性化策として打ち出した「西成特区構想」に、戦前戦後に漫才師らが住み、「てんのじ村」と呼ばれた一角を活用した振興策を盛り込む考えを明らかにした。てんのじ村は通天閣に近く、上方演芸発祥の地とも言われる。西成区内に記念碑が立つ。構想では、区内や周辺の名所などを巡るウオーキングツアーに、てんのじ村を組み込む。ツアーのテーマを大衆芸能とし、若手落語家が説明者を務める案も出ているという。橋下市長は、六代目桂文枝の襲名あいさつで市役所を訪れた桂三枝さんに、「てんのじ村は西成の宝。ツアーの核に位置づけて発信したい」と構想への協力を要請。三枝さんも快諾した。

14日
14日夜遅く、大阪市西成区で帰宅途中の男性が4人組の男に襲われ、財布を奪われました。この直後にも別の男性が襲われていて、警察が関連を調べています。14日午後11時50分ごろ、西成区の路上で帰宅途中の会社員の男性が4人組の男らに背後から首に腕を巻きつけられ、「金を出せ」と脅され頭などを蹴られました。男らは男性の財布を奪って、逃走したということです。この20分後、現場から2キロ東の阿倍野区の路上でも、3人組とみられる男らに大学講師の男性(38)が首に腕を巻きつけられ「金を出したら離してやる」と脅され、暴行を受けたということです。襲われた2人の男性はともに軽傷で、警察は同一犯の可能性もあるとみて、逃げた男らの行方を追っています。

21日
大阪市西成区は、区内の生活保護受給者を対象に8月から実施予定だった「医療機関等登録制度」について、受診先の制限を緩める修正案を決めた。医療機関を1診療科につき原則1か所に限るとしていた従来の案を「医学的必要性に応じて複数の選択も可能とする」とし、名称も「医療機関等確認制度」に変える。登録制度は、橋下徹市長が2月に打ち出した全国でも例のない受診制限。自己負担のない生活保護による医療で過剰診療や重複受診、重複処方が一部で目立つことから、その適正化を目的に、生活保護率が特に高い西成区で試行を計画した。〈1〉病院・診療所は診療科ごとに1か所、調剤薬局は受給者ごとに1か所を登録し、利用を限定する〈2〉専門医を受診したい時は医師の紹介状を前提に福祉事務所で判断する――という内容で、すでに各受給者に登録リストを発送。6月に入って「登録先以外は(受診に必要な)医療券を原則、発行しない」として、実質的に運用を始めていた。修正案では、保護受給者に「医療機関等確認証」を渡し、薬局も複数利用を認める。一方、過剰処方を防ぐため、診療や薬の内容を記録する区薬剤師会の「お薬手帳」を持ってもらう。当初の案に対し、医師会や薬剤師会、生活困窮者支援団体などから「患者が受診先を選ぶ権利を侵害する」と強い反発が出たため、修正を余儀なくされた。

25日
大阪市の「西成特区構想プロジェクトチーム(PT)会議」の第2回会合が25日開かれ、老朽化が著しい日雇い労働者の拠点施設「あいりん総合センター」(西成区)について、移転させる方向性が示された。今後、移転先などについて建物所有者の国や大阪府と協議し、橋下徹市長が秋をメドに最終決定する方針。同センターは、国や府の労働支援施設のほか、大阪社会医療センター、市営住宅が入る複合施設。現行の耐震基準が施行される前の昭和45年に建設され、耐震性の低さと老朽化への対応が課題となっていた。橋下市長が打ち出した西成特区構想の実現に向け、2月に発足したPTの分科会で、センターの再生について、耐震改修▽移転▽現地建て替え-の3案を検討。その結果、費用対効果から、移転案が最も適切との結論を出した。移転先について、PTはあいりん地区内の別の場所とすることを軸に、市の未利用地を活用する方向で検討する。今後、国や府とも移転先や建物内の構成などを協議し、9月末までに具体案をまとめる。

26日
26日午後1時40分ごろ、大阪市西成区太子2の路上で、「交通事故で人がひかれた」と近くに住む男性から110番通報があった。大阪府警によると、ワゴン車が付近の狭い路地を暴走しながら通行人の男女計6人をはねた。車は北に約1.5キロ離れた同市浪速区日本橋5の交差点でトラックに衝突して停止。駆け付けた捜査員が、運転していた自称、大阪府河内長野市汐の宮町、職業不詳、永田邦勝容疑者(32)を道路交通法違反(信号無視)の疑いで現行犯逮捕した。負傷した6人のうち、西成区の無職男性(60)が骨盤骨折などで重傷、他の22~60歳の男性4人、女性1人は軽傷。捜査関係者によると、永田容疑者の関係先から注射器が見つかった。府警は尿検査して覚醒剤を使用していなかったか調べている。今後、永田容疑者を勾留先の浪速署から西成署に移し、道交法違反(ひき逃げ)容疑などでも捜査する。


7月

4日
大阪市西成区のあいりん地区で生活保護受給者に違法な高金利で現金を貸し付けたなどとして、大阪府警西成署は4日、同市浪速区元町2、貸金業、佐藤誠容疑者(62)と従業員の男(65)を貸金業法違反(無登録)と出資法違反(高金利)の疑いで逮捕、送検したと発表した。佐藤容疑者らは受給者約300人の預金通帳と印鑑を預かり、保護費から元金と利息を引いた残金を顧客の受給者に返していた。逮捕、送検容疑は今年2~3月、同市西成区花園北1のアパートの一室で貸金業の登録をせずに営業。生活保護受給者の男性2人に計5万5000円を貸し付け、法定金利の約2倍に当たる利息計7500円を受け取った、としている。同署によると、佐藤容疑者らは容疑を認めているという。今年2月から約3カ月間で、約300人に2000万円以上を貸し付け、約350万円の利益を得ていた。佐藤容疑者らは受給者の預金通帳や印鑑を棚に入れ、顔写真を貼って管理していた。

8日
8日午後11時55分ごろ、大阪市西成区岸里のコンビニ「ローソンストア100西成岸里店」で、男が酒や菓子などを万引し、買い物かごごと自分の車に積み込んだのを男性店長(45)が気づいた。店長は助手席に乗り込んだが男はそのまま発進し、店長の顔などを殴った上、約50メートル先で車を止め、刃物を突きつけて「刺すぞ」と脅した。店長は車外へ逃げたが顔などに軽いけが。男は車で逃走した。西成署が強盗傷害容疑で捜査、男は20代くらいで白い軽乗用車に乗っていたという。

9日
マンションのエレベーター内で女性に刃物を突きつけ現金を奪ったとして、西成署は9日、強盗容疑などで住所不定の無職、首藤臣侍容疑者(45)を逮捕、送検したと発表した。容疑を否認しているという。逮捕・送検容疑は4月14日、大阪市西成区花園北のマンションで、住人の女性(53)が乗ったエレベーターに乗り込み、刃物を突きつけ「お金を出して」と迫り、現金7万円を脅し取ったとしている。防犯カメラの映像などから首藤容疑者を特定し、6月下旬に強盗容疑などで指名手配。今月7日午後、区内をパトロール中の署員が首藤容疑者を発見した。

10日
大阪市の橋下徹市長が目玉施策の一つと位置づける低所得層の塾代助成事業をめぐり、市は10日、教育サービスを提供する学習塾など事業者の公募を始めた。市は9月から西成区で試行する方針で、事業化に向けた動きが本格化した。同事業は、経済的な理由で塾や習い事に通えない子供にバウチャー(クーポン券)を支給するサービス。試行として9月から来年3月まで、西成区の中学生のうち、経済的に学校の教材費などが免除されている就学援助対象者ら約千人に、月1万円分を先行支給する。事業者は3年以上にわたって教育サービス提供の実績があることなどが条件。子供からクーポン券を受領し、市から額面の9割相当の費用を受け取る。応募の問い合わせは、市塾代助成事業運営事務局((電)06・6655・5433)。

13日
路上で覚醒剤を販売したとして、西成署は13日、覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)の疑いで、大阪市西成区出城の無職、山本茂(41)と同市此花区梅香の無職、長井太郎(38)の両容疑者を逮捕したと発表した。山本容疑者は容疑を認め、長井容疑者は「何も知らない」と否認しているという。同署によると、両容疑者は西成区萩之茶屋の路上で覚醒剤を販売。簡単に覚醒剤が入手できるとインターネット上では有名で、他府県からも客が訪れていたという。

16日
16日午前5時45分ごろ、大阪市西成区のマンション敷地内で、女性が倒れているのを住人が見つけて近くの交番に知らせた。大阪府警によると、女性は区内に住む公立中学2年の女子生徒(13)で、現場で死亡が確認された。府警はマンションから誤って転落したとみて調べている。西成署によると、女子生徒は母親と兄の3人暮らし。生活面の理由で5月に入所した児童自立支援施設を今月8日に抜け出した。家族には「どうやっても(施設から)逃げる」などと話していたという。転落現場のマンションは女子生徒の友人宅で、16日未明、階下のベランダにいる女子生徒を住人が見つけて110番通報。同署は、連れ戻されると思って逃げる途中に転落したとみている。

23日
大阪市西成区でトラックとミニバイクの衝突事故があり、西成署は23日までに、自動車運転過失傷害容疑で、トラックを運転していた市立西淀中の用務員朴英鎮容疑者(37)=西成区岸里=を現行犯逮捕した。同署によると、朴容疑者は当初、職業をトラック運転手としていたが、その後の調べで市職員と兼務していたことが判明。朴容疑者は「言いにくかった」と話している。市教育委員会によると、朴容疑者から兼業の届け出はなく、地方公務員法違反に当たる可能性があるという。大阪市西成区長橋1丁目の交差点で21日未明、朴容疑者のトラックと男性(38)のミニバイクが衝突。朴容疑者は現行犯逮捕され、男性は搬送先の病院で死亡が確認された。

26日
大阪市西成区萩之茶屋3丁目のうどん店で今年4月、店長の奥川信一さん(51)が刃物で刺されて殺害された事件で、大阪府警は26日、うどん店のある商店街の防犯カメラに映っていた男の画像を公開した。捜査1課によると、奥川さんは4月23日午前4時50分~同5時ごろの間、店内で胸や背中などを刃物で刺された。凶器は見つかっていない。画像の男は午前4時20分ごろ自転車でうどん店を訪れ、いったん離れた。同47分ごろ、奥川さんが出勤。男はその約1分後、店に入ったという。男は30~50歳くらいで、身長165~170センチ。黒っぽい上下に、黒っぽい折りたたみ自転車に乗っていた。情報提供は西成署の捜査本部(06・6648・1234)へ。

27日
日本相撲協会が、大阪市西成区の所有地の一部を指定暴力団山口組系の暴力団事務所に使われたとして、賃貸契約を結んだ会社や組長らに土地明け渡しと事務所の撤去を求めた訴訟は、大阪地裁(田中俊次裁判長)で和解した。和解期日は23日付。和解条項によると、協会所有地と隣接地にまたがって建つ事務所から被告側が退去し、隣接地と事務所の所有権を協会側に移転。協会側は解決金200万円を被告側に支払うとの内容。

8月

3日
3日午後1時10分ごろ、大阪市西成区岸里1の西成区役所3階フロアで、「職員が千枚通しで刺された」と区役所から110番通報があった。西成署によると、保健福祉課の男性職員(55)が生活保護費に関する苦情対応の際、相手の女に突然刺されたという。男性職員は手首などに軽傷を負った。別の男性職員(42)が女を取り押さえ、駆け付けた同署員が殺人未遂容疑などで現行犯逮捕した。同署によると女は、同市浪速区恵美須西3、無職、下山栄弥(えみ)容疑者(73)。下山容疑者は「けがをさせようと刺したが、殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認している。区役所によると、下山容疑者は西成区内に以前住んでおり、生活保護費を受給していた。その際、下山容疑者が収入を申告せずに受給を続けていたため、区役所は昨年5月に支給を止めた。下山容疑者はこの支給停止に関し、「納得できない」と何度も抗議していたという。

6日
6日午前9時40分ごろ、大阪市西成区花園北のアパート3階の無職、佐藤豊さん(64)方付近から出火。同室を全焼し、焼け跡から男性の遺体が発見された。西成署は、亡くなったのは佐藤さんとみて身元確認を進めるとともに、出火原因を調べている。同署によると、佐藤さんは1人暮らし。アパート住人が佐藤さん方から煙が出ているのを見つけ、佐藤さんのケアを担当している社会福祉法人の男性職員(34)らが駆けつけて119番。この職員と住人の50代男性の2人が煙を吸って病院に搬送されたが、いずれも軽症とみられる。

15日
大阪市西成区岸里東1、コンビニエンスストア「セブン―イレブン大阪岸里東1丁目店」で15日、偽1万円札がみつかった。西成署は偽造通貨行使容疑で捜査している。同署によると、15日午後1時20分頃に来店した男が、レジでたばこなど約500円分を購入する際に出した札。男が釣り銭約9500円と商品を受け取り、自転車で立ち去った後で、店員が手触りが本物とは違うことに気づいた。男は40~50歳代とみられ、メガネを掛けていた。

19日
生活保護費を不正受給したとして、府警は19日、住居不定、無職、権堂憲善容疑者(52)を詐欺容疑で逮捕したと発表。西成署によると、容疑を認めて「大阪市東淀川区で生活保護を受けていたが、家賃を滞納して、打ち切られると思って西成区に来た。本名ではばれると思い、偽名を使った」と話しているという。逮捕容疑は、他人になりすまして生活保護費を受給するため、偽名で西成区役所に生活保護開始申請書などを提出、7月25日と8月1日に現金計約23万円をだまし取った、としている。西成署によると、権堂容疑者は東淀川区で09年11月から生活保護を受給していたが、今月3日に所在不明を理由に打ち切られたという。

22日
3年前、大阪市西成区の川から女性医師の水死体が見つかった事件で、女性は「自殺」ではなく「他殺」だとして、22日に遺族が警察に刑事告訴し、受理されました。2009年11月、西成区に流れる木津川の渡船場で、医師の矢島祥子さん(当時34)が水死体で発見されました。矢島さんは当時、西成区の診療所に内科医として勤務していて、「あいりん地区」を中心に路上生活者の医療支援などに取り組んでいました。警察は、過労による「自殺」の可能性が高いとして捜査していましたが、矢島さんの足取りや遺体の外傷状況などに不審な点が多く、遺族はこれまで独自の調査を続けてきました。そして22日、警察に「殺人・死体遺棄事件」としての捜査を求める告訴状を提出しました。矢島祥子さんの母・晶子さん:「受理されることになりましたので良かったです。これからが正念場だと思います」警察は告訴状を受理し、今後、これまでの捜査内容を警察庁に報告するとしています。

27日
大阪市の橋下徹市長が、高齢化率や生活保護受給率が高い西成区の活性化に向け策定を目指す「西成特区構想」の原案が27日、同区で開かれたシンポジウムで公表された。子育て世代の流入や教育振興、観光振興などに力点を置き、保育園や幼稚園の保育費に充てられるクーポンの配布、大学の誘致、簡易宿泊施設などを活用した外国人観光客向けゲストハウスエリアの整備などを盛り込んでいる。原案は同日、西成特区構想有識者座談会座長の市特別顧問、鈴木亘学習院大教授が講演で発表。西成区の実情に詳しい有識者らでつくる同座談会では、6月から施策を検討してきた。原案では、需要創出策として、大規模留学生会館の開設やアートフェスティバルの開催、区内の幹線道路・堺筋の一部を夜間歩行者に開放する「屋台村」の構想も提示。子育て世帯の呼び込み策としては、中学校校舎を利用した「放課後塾」の開講も盛り込んだ。日雇い労働者が多い「あいりん地区」の振興策では、就労支援と福祉機能を兼ねる「地域トータルケア・システム」の構築を検討。高い結核罹(り)患(かん)率を改善するため診療と予防を総合的に担う「結核センター」の設置も提案している。27日のシンポジウムでは、訪れた区民から、通学路の環境改善や日雇い労働者への継続的な雇用創出を求める声などが相次いだ。特区構想は来年度から5年間かけて本格実施する予定。座談会は、たたき台の原案に市民意見を反映させ、9月末に市側に提出する。その後橋下市長や臣(とみ)永(なが)正広西成区長を中心に検討を加え、最終決定される。

9月

3日
「西成へいらっしゃ~い」。大阪市は3日、桂文枝(三枝改め)さんを西成区のPR大使に任命すると発表した。10日に就任する。文枝さんは今後、貧困な街という一面的な印象を払拭するため、全国の公演先で情報発信し、区のイメージアップに貢献する。文枝さんは、落語界に入門した1960年代半ば、西成区に住み、人情にあふれた街だと感じたという。今回、地域貢献したいと吉本興業から同区に申し出があり、大使就任が決まった。文枝さんの看板ギャグ「いらっしゃ~い」をキャッチコピーにして、下町情緒あふれる街の魅力をアピールしていく。

10日
大阪市は10日、落語家の桂文枝さん(69)を西成区の「PR大使」に任命した。区役所での就任記者会見で、文枝さんは得意のギャグを交え、「全国の皆さん、西成へいらっしゃーい」とアピールした。橋下徹市長が西成の活性化を目指す「西成特区構想」の一環。文枝さんは落語界に入門した1960年代、区内で住み込み修業をした経験があり、「六代文枝を襲名した年に恩返しができれば」と、市の依頼を快諾した。文枝さんは今年度中、全国公演などで西成の情報を発信。西成にゆかりのある若手芸人らが、たこ焼きや大衆演劇など地元の魅力を動画やブログでPRする公式ホームページも開設した。

20日
20日午前1時30分ごろ、大阪府大阪市西成区内の阪神高速道路堺線で、前走する乗用車を強引に追い抜こうとしていたバイクが、この乗用車と接触。そのまま転倒する事故が起きた。この事故でバイクを運転していた30歳の男性が死亡している。大阪府警・高速隊によると、現場は大阪市西成区玉出西付近で片側2車線の直線区間。30歳男性の運転するバイクは第2車線を走行していたが、同じ車線を前走していた乗用車を追い抜こうと右側に進出。このクルマの右側面に接触し、さらに中央分離帯にも衝突したとみられる。バイクは転倒。運転していた男性は路上へ投げ出された際に胸部を強打。近くの病院へ収容されたが、まもなく死亡した。乗用車の運転者にケガはなかった。警察では強引な追い抜きが事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

21日
大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)と吉本興業が初めて共演するイベントが21日、大阪市西成区の大阪フィルハーモニー会館で開かれた。異色の組み合わせは、大フィルに吉本側がラブコールを送って実現。大阪市の補助金見直し対象となっている大フィル側は、幅広い活動を通じて存在感をアピールしたいと快諾した。叔父が元大フィル団員だという桂かい枝さん(43)の落語では、和太鼓や三味線に代わって弦打楽器アンサンブルが演奏。うどんをすする場面にワルツを合わせて客席を沸かせた。音楽団のオーディションを題材にしたコントでは、楽団員が若手芸人に交じって体当たりの演技を披露した。「落語もクラシックも同じ古典。お客さんの集中力が高まり、音楽の力を感じた」とかい枝さん。ビオラ奏者の岩井英樹さん(43)は「演奏して拍手をもらうのと同じくらい、笑いを取るのも快感」と話していた。

29日
29日未明、大阪市西成区を走行中の南海電車の車内で、下半身を露出させたとして、大阪府貝塚市の職員が逮捕されました。公然わいせつの疑いで逮捕されたのは、貝塚市下水道推進課の係員、黒田祐介容疑者(33)です。警察によりますと黒田容疑者は、29日午前0時すぎ、南海本線を走行中の普通電車の最後尾の車両で、下半身を露出した疑いが持たれています。車内には他にも乗客がいて、女性車掌が犯行を目撃し、連絡を受けた駅員が警察に通報、黒田容疑者は岸里玉出駅で降ろされ、29日朝に逮捕されました。黒田容疑者は酒を飲んで帰宅する途中だったということで、取り調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているということです。

10月

11日
生活保護受給率が全国で最も高く、高齢化も深刻な大阪市西成区の課題解決を目指す橋下徹市長の西成特区構想が11日、正式にまとまった。野宿生活者の雇用創出や子育て世代の誘致など8分野、56項目。主要な政策は2017年度末までの実現を目指す。構想は、市の有識者座談会(座長・鈴木亘学習院大教授)が橋下氏の意向も踏まえて決めた。1、2年以内の短期的な施策として、区内で暮らす野宿生活者向けに、ごみの不法投棄監視や高齢者世帯の見回りといった仕事を提供。生活保護の住宅扶助の不正受給を防ぐガイドラインも作る。中長期的な政策としては、大学や留学生会館の誘致、簡易宿泊所を活用した国際観光エリアの指定などで区のイメージアップを図る。保育クーポン券の配布や市税の優遇で、子育て世代の転入促進も目指す。

12日
  • 大阪市西成区ではひったくりなどの街頭犯罪に対し住民の防犯意識を高めようとイベントが開かれた。西成区では街頭犯罪の認知件数が、去年より20%以上減っているものの今年9月末までに742件起きている。

  • 信者の男性(68)に暴行を加えて死亡させたとして、京都地検は12日、傷害致死容疑で逮捕された無職、宮前浩明容疑者(50)=大阪市西成区=ら信者3人を同罪で、同じく信者で会社役員、増田敦士容疑者(46)=京都市左京区=については傷害致死事件の共犯と認定できないとして、暴行罪でそれぞれ起訴した。事件の逮捕者は計9人に上ったが、地検は関与の度合いが低かった他5人について2人を傷害致死罪で、男性の妻ら3人を暴行罪で起訴猶予処分とした。起訴状によると、宮前容疑者ら3人は共謀して9月16日午前、京都市南区にある宗教法人の道場で、男性に殴る蹴るの暴行を加えた上、竹刀で突くなどして死亡させたとされる。

14日
大阪市西成区の露店が道路使用許可を取らずに営業を続けていたとして、警察は14日早朝、摘発に乗り出した。  摘発されたのは、大阪市西成区の「あいりん」地区で営業していた露店で、道路使用許可を受けていなかった道路交通法違反で和田利郎容疑者(51)が現行犯逮捕された。  あいりん地区周辺では多いときで100店舗以上の露店が確認されているが、道路を無許可で使用し、海賊版DVDや盗品などを違法販売するケースが相次いでいる。このため警察は、治安の悪化にもつながるとして撤去指導や警告を繰り返し、従わない場合は摘発するなど取り締まりを強化している。

18日
大阪市西成区の共同住宅の一室で遺体が発見された事件で、西成署は18日、死体遺棄容疑で、この部屋に住んでいた無職、久保龍三容疑者(73)を逮捕した。同署によると「同居の内妻が死んでしまったが、異臭が激しくなり部屋を出た。役所に届け出るのがわずらわしかった」と供述しているという。遺体は60~70歳代の女性で、8月ごろに死亡したとみられる。久保容疑者は平成8年ごろから60歳くらいの女性と同居を始めたが、婚姻届を出していなかったと説明しているという。同署は遺体の身元の確認を急ぐとともに、死亡した経緯も詳しく調べる方針。逮捕容疑は8~9月、大阪市西成区聖天下の共同住宅から立ち去り、同居していた女性の遺体を放置したとしている。

29日
露店でたばこを無許可販売したとして、大阪府警西成署は29日、たばこ事業法違反(無許可販売)の疑いで、韓国籍の露天商の女(61)=大阪市西成区=ら2人を書類送検した。露店では1箱300円均一の格安で販売。2割安となる銘柄もあり、口コミで人気を集めていたという。同署は西成区の貸倉庫など関係先6カ所を家宅捜索し、国産や外国産など十数種類のたばこ約1万2500箱を押収。いずれも韓国の免税店向けに出荷された正規品とみられ、詳しい入手経路を調べる方針。送検容疑は8月22~24日、大阪市西成区内の路上にビニールシートを広げた露店で計3回にわたり、正規品の「セブンスター」と「マイルドセブン」計3箱を、財務大臣の小売り販売許可を受けずに販売したとしている。同署によると、女は約2年前から露店を始め、ほぼ毎日午前3時~10時に営業。「安く買える」と評判になり、1日7~9万円の売り上げがあったという。女は「知人から1箱250円で仕入れた」と容疑を認めている。8月に情報提供があり、同署が捜査していた。

11月

8日
大阪市西成区で6月、ワゴン車が暴走し、6人が重軽傷を負った事件で、大阪地検は8日、運転していた無職の永田邦勝容疑者(32)について殺人未遂罪を適用せず、うち3人への傷害罪などに切り替えて起訴した。地検は認否を明らかにしていない。大阪府警は自動車運転過失傷害や殺人未遂などの容疑で逮捕、送検。地検は「殺意を認定できる証拠がない」とする一方、わざと車をぶつけた故意があったとした。また、刑事責任能力の有無を調べるため、8月1日から11月2日まで鑑定留置。精神鑑定の結果などから、責任能力を問えると判断した。起訴状によると、永田被告は6月26日午後1時35分ごろ、大阪市西成区の路上で乗用車を急発進させ、工員の男性(22)を時速50キロで背後からはねるなど、男女3人に軽傷を負わせたとしている。永田被告の尿検査で覚醒剤が検出されており、府警は捜査を継続している。

26日
販売目的で覚醒剤を自宅で隠し持っていたとして、大阪府警西成署は26日、大阪市生野区新今里4、暴力団組員、秋勇(41)と同居の宮崎美夏(35)の両被告を覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)容疑で再逮捕した。今年8月、2人が住んでいた同市西成区の自宅でたばこの不始末から火災が発生。室内から覚醒剤が見つかり、同署は先月、火災後に行方不明になっていた2人を8月の同容疑で逮捕していた。再逮捕容疑は先月、大阪市生野区の自宅で覚醒剤約76グラムを所持していたとしている。西成署は先月27日、火災発生時の自宅で約94グラムの覚醒剤を所持していた事件で2人を逮捕。大阪地検が今月起訴している。同署によると、両事件で約170グラムの覚醒剤を押収し、末端価格は約1360万円。秋容疑者は「覚醒剤はすべて自分のもの」と供述し、宮崎容疑者は容疑を否認している。

12月

4日
販売目的で覚醒剤を自宅で隠し持っていたとして、大阪府警西成署は26日、大阪市生野区新今里4、暴力団組員、秋勇(41)と同居の宮崎美夏(35)の両被告を覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)容疑で再逮捕した。今年8月、2人が住んでいた同市西成区の自宅でたばこの不始末から火災が発生。室内から覚醒剤が見つかり、同署は先月、火災後に行方不明になっていた2人を8月の同容疑で逮捕していた。再逮捕容疑は先月、大阪市生野区の自宅で覚醒剤約76グラムを所持していたとしている。西

  • 最終更新:2013-05-10 10:09:20

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